1月にテレビ番組の徹子の部屋に
狂言師である野村万作さん(祖父)、萬斎さん(父)、裕基さん(息子)の3世代3人が出演さ
れていました。
どのお話も興味深いものでしたがとりわけ私が感銘を受けたことを紹介したいと思いま
す。
野村萬斎さんは父である万作さんに表現の自由さを感じてるとのことでした。
節分が近かったので
「福はぁ??うち?、…、ワァッハッハッハッハッ」と特有の笑い方でそれだけでなんとも不
思議な感じを受けました。
万作さんは笑うということはただ楽しいから嬉しいから笑うものでもなく、
笑いの中に悲しみ、憂い、寂しさ等、また涙を浮かべながらも笑うことがあり、
その笑いの中にある表現を探求してきたそうです。
稽古の中で型を気の遠くなるくらい反復して身につけてこその自由な表現ができるとのお
話でした。
私は、自由が良く、不自由が悪いという世界観を超えて、不自由を超えたから自由な表
現ができるのだと思いました。
萬斎さんは息子さんに
「何でこんなことをしているんだ、しなくちゃいけないんだ」
と問われ、
「自分もわからない」
と伝えたそうです。
わからないが、日々伝統芸能を続ける意味を問うているとのお話でした。
世代を超えて受け継がれる人間味、深さを感じました。
2023.2.20 M.Watanabe