日常の介護についての事柄や悩みや質問をしたくてもなかなかできない……。
そんな声に私たちの経験が少しでもお役に立てたらと思い、YouTubeラジオチャンネルを開設しました。
今回は重度訪問介護3年目の投稿者『とんぽろりん』さんから、ALSの利用者さんの食事介助についてのご相談です。利用者さんにとって食事はとても大切なもの。美味しく食べたいという気持ちは、誰しも同じですが、その利用者さんはとくにこだわりが強い方のようです。たとえば、和食はお箸で食べたい、洋食はフォークで、と食事をするうえでの決まりごとがあります。ヘルパーとしては、ご本人のお気持ちをできるだけ尊重したいのですが、ALSにより段々と嚥下や噛む力の状態が悪くなっているため、食べやすさを考えてスプーンを使ったり、食べ物の大きさを小さくしたりしたいのが本音です。ところが、ご本人は大き目の食べ物は大きいまま、和食はお箸を使って食べるなど、依然としてこだわりを持っておられるため、食事の時間がとても長くかかり、結果として少量で満腹になってしまいます。さらに先日はお餅を食べたいとおっしゃるので、小さく刻んで差し上げたのですが、むせ込みもあって、介助しながらも大丈夫だろうか、とかなりドキドキしたそうです。そんな最近の状態を鑑みて、食事の仕方を少し変えてみてはどうか? とできるだけやんわりとお話をしているようですが、ご本人からは良い返事はなく……。どのように対処すればよいのか悩んでいらっしゃるようです。
食べることは、生理的欲求のひとつ。それだけに、今までの習慣を変えることは誰しも難しいと思います。とくにこの利用者さんのようにこだわりの強い方であれば、できるだけ自分の意志でやりたいことでしょう。一方、介護者の立場としては、どうしても事故の心配を考えてしまうのですが、本人が望んでいるのであれば、大切にしてあげたいと思うのも心情ですよね。ただ、介護する側が不安や恐怖を感じているのであれば、かかわっているヘルパーや事業者間でその気持ちを共有し、できるだけ安全な対策法を検討すべきです。さらに、ヘルパー自身の気持ちを利用者さんにもお話して分かってもらうことも大切です。とにかく、ひとりで抱え込まないで!
【パーソナリティー】
齋藤智恵子 齋藤信弥 中野朋恵
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